2.そしてファジンポへ

2007/03/23(金)

6:30起床。顔を洗ってさっそく外へ出た。天気は晴れ。日本にいるとき、こちらの天気が気がかりだったが、きのうも含めて天気はよくてツイてる。坂を上がって高台へ出てみた。きれいな空と海、遠くまで見通せる。この高台、パイランDVDの特典ディスクのほうのメイキングに出てたところだ。ソン・ヘソン監督とセシリア・チャンが並んで立ってたっけ。下を見下ろすと赤・白灯台と防波堤、保安道路の海岸線がある。映画そのままの景色だ。テジン、オレ本当に来ちゃったよ・・・




おセンチからふと我に返り、ロケ地探索に戻る。まずは洗濯屋セット跡。がけ下にあったはずだ。洗濯物を干す開けた場所と洗濯屋の建物、が映画の光景。洗濯屋の正面もちょっと開けてた。建物はセットだったからもうないらしいが。探すうち、この家があるここがそうじゃないか?と思える場所を見つけた。セットのあったところにこの家が建ったんじゃないか?と。でも家にさほど新しさを感じない。撮影が2001年2月だからまる6年経つわけだが、それ以上の古さを感じる。そう考えながらこの家を見ていたところ、中からおじいさんが出てきた。思い切っておじいさんに聞いてみた。ってたいした韓国語できないから、例のごとくデジカメを取り出し、数枚の洗濯屋のカットを見せ「ここですかね?」と。おじいさん、しばらくそれらを見て「わからんな」・・・

わからんと言われても、たぶんここだろう、セット跡には家が建っていました、ということで自分を納得させようとしたのだが、もうひとつしっくり来ない。何か痕跡はないかとこの家の辺りを行ったり来たり。外側からではこれ以上はわからない、裏側に行けば何かわかりそうだが・・・とこれじゃ不法侵入だろと思いながら、家と家との間の土地を進み裏側に出てみるとそこに空き地が・・・ん?これは?あれ?ここじゃない?ここに洗濯屋があったらそのままじゃん!ついに見つけたぞ!洗濯屋のセットはもちろんないものの、撮影時のままの空間がそこにはあった。またまたパイランの音楽が頭を駆け巡って♪・・・





あと2ヵ所、洗濯!の道と歯ブラシの店がまだ見つからない。かなり広範囲に探しているのだが・・・そうして再び港に出ると一軒の食堂が目に入った。朝メシにするか。時間は9時を回っていた。店の前で作業をしていたアジュマに「食事できますか?」と聞くとOKとのこと、中へ入った。壁のメニューを見てテンジャンチゲを注文する。いなかの小さな港町で5,000ウォンとは高いなぁと思ったが、しばらくして運ばれてきたものを見て納得した。チゲとパンチャンに加えて、25センチほどの魚の開きが2枚も付いていたのだ。そういえばセンソンがどうとか言っていたなぁ、このことだったのか。朝からこんなにも・・・完食した。

ブラブラしながら宿へ戻り、荷造りをしてチェックアウト。念のため旅館のアジョシに、例のごとく画像を見せて「ここわかりませんか?」とやってみたがわからないようだった。そのやり取りの中でファジンポがどうとか言ったので、ファジンポへはこれからバスで行くつもりだと言ったところ、んじゃ車で送ってやるよ、ということになった。ありがたやありがたや・・・

テジン港から海岸線に沿って車は走る。ほどなくすると・・・おぉこの砂浜、あの島、かなたに見えるあの建物、ファジンポ(花津浦)海水浴場だ!車を降り、アジョシにもやはりひざに付くぐらい頭を下げ礼を言い、車を見送った(10時)。自転車を引いて潮風にあたっているパイランのカットはこのあたりからかな?ギョンスが撮ったビデオ「パイラン春の海」はこのあたりかな?などと考えながら浜辺を歩く。ドラマ「秋の童話」で有名なところらしいが、ファジンポといえばパイランなのだ、私には。そしてやはり、パイランの音楽をハミングしているのだった♪・・・







十分潮風に当たったところで、これからのことを考えた。あの2ヵ所は心残りだが、大方の目的は達成した。テジンから東ソウルへのバスは、いまからだと11:40か13:10。いずれにしても時間はまだある。じゃあ時間まであの2ヶ所を探してみよう、ファジンポ海水浴場からテジンへの道中にあるかもしれない、と歩くことにして、まず国道に出た。

ひたすら北へ向かって歩く。ここか?と思えば横道を入っていく。やがて国道を右へそれてテジンへ。テジンバスターミナルはここを左か、まだ時間あるな、もうちょっと進もう・・・とテジンのあの通りに着いた。このあたりは十分探したからどんどん先へ進もう。釜山旅館か、あ、アジョシだ。向こうも私を見つけて、近づいてきて話しかけてきた。何を言ってるのかよくわからなかったが、統一展望台という言葉はわかった。礼をして別れ、さらに進んでいく。相変わらずキョロキョロ、横道それたりしながら。もう11:30だ。

市内バスの停留所があった。ちょっと待って、バスが来たら乗ってテジン市外バスターミナル近くまで戻ろう。ふぅと腰を下ろすとすぐにバスが来た。乗り込む。料金は900ウォン。お、これ、カンジェとギョンスが乗ってた感じのバスじゃない?まさしくテジンを離れる気分。あ、旅館のアジョシだ。手を振ったが向こうは気付かない。まぁいい。しかしいいところだったなぁテジン。I shall return!



テジンターミナル近くのバス停で降り、ターミナルへ向かった。もうすぐ11:40だ。チケット売り場には誰もいなかった。呼べど叫べど人が出てくる気配はない。バスが来た。運転手に、アジュマがいないんだが、と言うとケイタイで電話をかけた。出ねぇな(と思う)とつぶやく。そうしていると、彼方からアジュマが、畑から採ってきたって感じの野菜を持ってやって来た。いなきゃダメじゃんかよぉ!(と思う)と運転手が言ってる。私から預かってた料金20,500ウォンをアジュマに渡すと、すぐにチケットを持ってきた。5分遅れの出発だ。

帰りの運転手、もちろん行きのときの運転手とは別の人。でも運転はいっしょw。今回、山道では7台の観光バスが前を走っていた。さすがにこれじゃあおとなしく走るしかないだろうと思っていたのだが、1台ずつキッチリパスして先頭に出て、いい走り見せてくれました。広い国道ならともかく、ワインディングでやってくれるというのがうれしいw。クムガンコソッ最高ー!運転技術が高いというかただの無茶というか・・・

途中ホンチョン(洪川)ターミナルで10分の休憩をして、15:30東ソウルターミナルへ着いた。ソウルの天気は曇り。カンビョン駅をはさんで東ソウルターミナルの反対側はテクノマート、せっかくなので久しぶりにのぞいてみた。2004年の12月に来て以来だ。7階(だったか?)のSKCプラザへ行って、パイランDVDを探す。ない。店員に聞いてみた。陳列棚の一番下にあるストック用の引き出しを開けると、見慣れたパッケージのパイランDVDが。16,500→13,900ウォンとある。売れ残りか?まぁいい、買うことにした。実は、前回ここへ来たときもパイランDVDを買っていた。これで全部で7本かな、パイランDVD。韓国正規版2ディスクのが。ちなみに日本正規版は5本ある。OSTは6枚だ。人は私をアホウと呼ぶ。アホウ?あぁアホウで結構。

地下鉄でカンビョン駅から新堂駅へ。16:00、高頭さんに教えていただいた中央市場のハルモニスンデクッパッチッへ行きでスンデクッパを食す(3,500ウォン)。スープはうまかったが肉がグロかった。食ってから新堂駅へ戻り乙支路3街駅へ。きょうあすと二泊するトンバン(東邦)旅館へ向かう。

トンバン(東邦)旅館着いた。なんか周りの雰囲気がすごい。廃墟というかなんと言うか。いずれ再開発されていくのだろうが。旅館の横に、これまたすごい雰囲気の売店があり、そこで250ミリ缶のコークゼロ(700ウォン)を買って、旅館にチェックイン。一泊35,000ウォンで二泊分7万ウォンを払い部屋へ。部屋は、可もなく不可もなくといったところか。フロントのアジュマは感じがよかったが。荷物を降ろし、まずは洗濯。初日に着た分を洗って、最終日に着るためだ。





いつもは一泊かせいぜい二泊だからいいのだが、三泊となるとこうするしかない。荷物になるという理由でなく、予備がそれ以上ないのだ。いつも思うのだが、4泊5泊とする人はどうしているのだろう?そんなに予備を持っているものなのだろうか?やはり洗濯をしているのだろうか?まぁいい、とにかくシャツとトランクスとソックスをせっけんで水洗い(手洗い)する。洗濯したものをかけるハンガーがないので、フロントへ行ってもらって来た。洗濯バサミは用意していったのだが。

洗濯を済ませて外出。無性に甘いものが食べたくなった。パン屋があったのでアンパン(700ウォン)を買って食う。飲み物は、その近くのコンビニで250ミリ缶のコークライト(850ウォン)を買って飲む。このパン屋とコンビニには以後何度もお世話になった。私、和菓子系の甘いものが大好きで、特にあずきには目がない。朝食は大福もちだ(本当)。飲み物はダイエットコーク(500ミリペット)と決めている。韓国には大福とかおはぎはない(と思う)からアンパンが代用、ダイエットコークの代用はコークライト(かゼロ)。

まだ1万円分ぐらいのウォンはあって、たぶん以後間に合うだろうとは思ったが、あすは朝が早いし、念のためもう1万円両替することにした。ミョンドンのFXコリアへ行って両替、78,000ウォンだった。あまりよくないレート。きのう空港の銀行で両替したのとほぼ同じ(77,950ウォン)。ウォン高が進んだのかもしれないが。ついでにSKCプラザのミョンドン店へ行ってみたが、パイランDVDはなかった。その後、地図を見に永豊文庫へ行った。たくさんの種類の地図があったが、私が求めるようなものはなかった。ポケットサイズの厚くない全国地図が欲しかったのだが。

やがて20:30、トリが食べたい。北倉洞のバーベキューチキン屋へ行った。チキンの塩焼きハーフとビールで10,000ウォン。何かもうちょっと・・・でアンパンとコークライト。旅館に着いたのは21:30過ぎていて、雨もパラついていた。あすはインチョンの撮影地、天気が心配だ。

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