3.聖地巡礼その2

2007/11/09(金)

深夜2時半。ケイタイからであろうアラームが鳴り始める。3人それぞれから、時間差攻撃で。当初は、きのう・きょう・あさってと三日こちらにいる予定だった。がひと通り見れたし、私も彼らといっしょにソウルへ戻ることにして、そう伝えてあった。でも、きのう晩に刺身食って横になってから、もう少しじっくり見てこようとまた気が変わっていた。3人といっしょに起きて、「ひとりでもう少し回りたいから、先に帰っていいよ」と伝えると、「わかりました。ここは12時までいられますから、ゆっくりしてきてください」との返事。外に出た。「楽しかったよ。どうもありがとう。気をつけて。また会おう」、3人と固い握手をしてクルマを送った(3時)。そして部屋へ戻り、また横になる。いいヤツらだったな・・・

6時半、目を覚ました。体調はいい。シャワーを浴びて顔を洗って荷造り、といつものパターン。7時半過ぎ、宿を出た。まず、再び、近くのソクチョ港国際旅客ターミナルへ向かう。きのうは薄暗かったんで、改めて写真を撮ろうと。その後、近くのバス停へ向かう。市内バス1番か1-1番に乗れば、チュクワン派出所の辺りへ行けるはずだ。このことは、事前に韓国観光公社に尋ねて調べてあった。バス停に着くと、ほどなく1-1バスが来たので乗り込んだ(8時)。「チュクワンミョンサムソ(竹旺面事務所)!」「1,770ウォン!」。20分後に到着。停留所は正式には「オホリ」という名前のようだ。

国道をしばらく戻ると、きのう見た光景が。まずはチュクワン派出所。そしてシュポに。シュポ、きのう来たところなんだが、何だかうれしい。ニヤついてしまう。両手を腰に当て、ウ〜ンなんて言って、ちょっと離れて眺めてみる。いい味出してるなぁこの店。きれいになって(変わって)るか、違う店になってるか、最悪なくなってるかと思ってたんだが、ほとんどそのままだ。店内が変わってないのもうれしい。何かパンでもないかなぁと入ってみた。きょうはアジュマが出てきた。パンはない。菓子は食いたくないので、ペットのお茶を買った。アジュマにパイランの写真を見せる、「ここですよね」「あー、ウチだ。このケースとか・・・」

店を出て、セ〜タ〜ッ!路地へ向かう。ここもきのう来たところなのだが、やはりいい。シュポと同じく、あまり変わっていないからだろう。シュポとこの路地は、とにかくあこがれだった。何としてでも来たかった。ここの情報を探すべく、Yahoo!KOREAをよく検索していた。でもヒットするのはいつも同じものばかり。グーグルアースで何か手がかりでもと探したが、らしいものは見つからず。パサモの連中も知らないと言う。で、今回の旅行を4泊5日と長くしたのも(もっと長くとも考えた)、ここを探すため、写真だけを頼りに探しまくり歩きまくりするためだった。いま思えば無謀な計画ではあったが。

でもツイてた。直前、本当に直前の11月3日、ついにその情報を見つけた。灯台下暗しとはこのことか、パサモのサイトの中にその情報は埋もれていた(彼らも忘れていた?)。見つけたときは「うぉっしゃーっ!」だった。久しぶりのホームラン。88年3月、大型自動二輪に一発合格して以来の喜び大爆発。そういえば、初訪韓も88年だった(8月のソウルオリンピック)。あまり関係ないか。

で、セ〜タ〜ッ!路地。ここではきょうは課題を持って来た。セ〜タ〜ッ!のシーンで、最後にパイランがアップになるところがあるのだが、その場所を探し出すこと。きのう、感動のあまりどうでもいいやと思ったところだが、きょうはひとりだし時間もあるし、探してみようと思う。ヒントは、バックに見えた山に2本の木、だ。路地を何回か往復するのだが、らしいところが見当たらない。坂を上がって上から眺めるも、やはり手がかりがない。アップになっていたから、ほかの場所で撮影してつなげたのかもしれないと、あきらめてシュポへ戻ることに。

ん?もうすぐシュポというところで、左側にビビッと反応。しばし立ち止まる。写真を取り出して見比べてみる。写真には古い納屋のような離れが写っているが、その場所にはきれいな同じような建物がある。白い壁と塀、青のトップ。山の木は?一本だがある。写真をよく見てみると、2本に見えた木は一本だ。ここに間違いない。やった!いまはまだ木々の緑が残っているが、撮影時は2月だったので緑はあの木が一本だけ。で木が見つけにくかったのか。でパチリ。







シュポとセ〜タ〜ッ!路地、本当によかったなぁ。きのう、彼らと車の中で「セ〜タ〜ッ!!」と叫んだことは一生忘れないだろう。

シュポを後にしてバス停へ。次に向かうのはコジン(巨津)。1番バスが来たので乗り込む。「コジンハン(港)!」「2,080ウォン!」、30分ほど走ってコジンに着いた。ここでの目当ては、パイランがギョンスに手を引かれて酒場へ行くシーン。しかしコジンはデカい。テジンの3倍はある。しばらく歩いたが、端から端まで探すのは大変だと判断、人に尋ねることにする。で、近くにいたアジョシに写真を見せて聞いてみたら・・・「これはカンヌン(江陵)だよ。カンヌンって書いてある」。よく見ると確かにカンヌンの文字が。失敗!が気を取り直して、「サムホ(三湖)モーテルはわかりませんか?」と撮影地情報の書かれたプリントを見せると、ここなら・・・と教えてくれた。

勘違いしてた。ギョンスに連れられて行くシーンはカンヌンで、酒場のシーンはそのサムホモーテル地下にある店だったのだ。まぁいい、それがわかっただけでも(負け惜しみ)。でサムホモーテルをパチリ。



近くの食堂でブランチ(テンジャンチゲ)を取って、バス停へ。すぐにバスが来た。「コソングンチョン!」「1,540ウォン!」、次に向かうのは高城郡庁、着いたのは11時半近くだった。ここはトイレが目的の場所。パイランが酒場へ連れてこられて、自分が売られるのを回避すべく、トイレで口の中を噛み切って、血を吐いて病気に見せかける・・・シーンのトイレ。撮影にここの2階のトイレが使われたそうだ。入り口は女子トイレ、腰掛けたのは男子トイレとのこと、まずそのトイレへ向かう。

男子トイレへ行く。とてもきれいだ。新しいというか。便器も方向が変わってしまっている。意味ないかと思いながらもパチリ。男子トイレは問題ないが、女子トイレはなぁ・・・。1階へ降りてフロア案内のボードを見てみる。と、「どこをお探しですか?」と声がかかった(もちろん韓国語で)。いやいやいいです、と手をふる私。どうしようかなぁとまたフロア案内を見る。すると別のアジョシから同じように声をかけられた。「観光課で日本語ができる方はいますか?」と聞いてみたところ、初めに声をかけてくれたアジョシとことばを交わしてから、「いまいないみたいです」と。で初めのアジョシに、「2階の女子トイレを撮りたいんですが」と撮影地情報の例のプリントを見せると、一通り読んでから、「行きましょう」と2階へ向かった。



女子トイレの前で、「ちょっと待ってください」・・・アジョシが女性職員を連れてきて、中に人がいないかを確かめてくれた。そして「どうぞ」と。中はやはりきれいだった。新しい。でも感じがなくもない。せっかくなのでパチリ。アジョシによると、少し前に改装したそうだ。


礼を言って、高城郡庁を出て歩き出すと、先ほど声をかけてくれたもうひとりのアジョシがクルマで追いかけてきた。「どこへ行きますか?」「カンソン(杆城)ターミナルへ」「では送りますよ」となった。ここから近かったんだが、乗せて送ってもらった。声をかけられたときから思ったのだが、韓国の公務員は親切だなぁ。日本では考えられない。少なくとも私の経験した中では、役所でそう感じたことは一度もない。

カンソン市外バスターミナル。たいそうな名前だが、2階か3階建ての小さなビルの1階の一部が事務所(待合室)で、その建物の前にバスが3台ぐらい入るか入らないかぐらいの小さなところ。東ソウルターミナル行きバスは12時ちょうど発だと(18,600ウォン)。まだ10分ほどある。家へ電話した。今回初めての電話だ。「あぁオレ、変わったことない?」「変わったことはないねぇ。それより気をつけてね。最後まで気ぃ抜いたらいかんよ」・・・なんのこっちゃ。トイレを済ませるとバスが来た。

よし!今回もクムガンコソッ(金剛高速)だ。期待に応えて楽しませてくれた。広い国道に出るまでは寝させないぜ!ぐらいのいい走り。左右の横Gがすごい。足は踏ん張って、腕はひじ掛けの内側外側を移動させて上体をホールド、バスに乗ってるのにいい運動だったりするw。だからか、広いまっすぐな道路に出ると、疲れて眠ってしまうw。途中休憩を入れて・・・



東ソウルターミナルには15時半に到着した。前回撮れなかったここの写真が下。全景はもっとあるんだが、この窓から見えるのはこれだけ。それでも結構なもんでしょ。


きょうの宿は決めてない。とりあえず、最寄りのカンビョン(江辺)駅から乙支路3街駅へ向かう。BIZが空いてたら泊まろうと。なければ近くにどこかあるだろう・・・BIZはやはり満室だった。近くにないか?と聞いて教えてくれた一軒のここに決めて(一泊30,000ウォン)、荷物を置いて出かけた。まずはメシだな。


第一目標は「ヨングムオク(湧金屋)」。茶洞(ロッテホテルの北側)にあるこの店はチュタン(チュオタン:どじょうスープ)の老舗、なんでも日本統治時代からやってるとのこと。以前から気になっていた店だ。店に着いたのが17時ちょっと前。入っていくが誰もいない。いやいた。座敷に店のアジュマらしきが横になっている。休憩中か?でももう午後5時だぜ。声かけづらいなぁ・・・と思っていたら、横から別のアジュマが出てきた。いかにもいままで寝てたって顔だ。「チュタン、ハナジュセヨ」・・・しばらくして出てきた初めてのチュタン(8,000ウォン)、うまかった。どじょうだからうまい!というわけではないが、元気出そうって感じ。辛くて鼻水も出るからよく鼻かんでたんだけど、座敷に横になってたアジュマは結局起きることはなかった(寝たまま電話は2回取ってたが)。写真は日曜の14時ごろ撮ったもの(定休日)。


散歩をする。いやホント飽きんねぇ、この街は。歩いていると、イ・スヨン似の女性を見かけた。あぁイ・スヨンの8集を買うんだっけ、と思い出した。よし、価格調査だ。まずは教保文庫(の中のHottracks)が13,500ウォン。次に永豊文庫が14,300ウォン。歩いて、最後に鍾路3街のソウルレコードへ。ここへは2回来たことがあるが、目的のものがなかったので買ったことはない。イ・スヨンの8集は新アルバムだから当然あった。「オルマエヨ?」「マノニエヨ」「マノン!?」「ネ」・・・聞き間違いかと思った。もちろんここで買った。1万ウォン、「サヨ〜」と言うと「ヤスイ?」だと。ポスターやろか?と言うんでもらって来た(2種類も)。いい店だわぁ。


ソウルレコードのあたりを散歩してから、地下鉄に乗って市庁駅へ。降りて北倉洞のチキン屋へ向かった。ここでソグムバーベキューのハーフとビールを(10,000ウォン)。そして明洞をブラついて、ベーカリーであんぱんを買って、食いながら宿へ。でも、もうちょっと何か食いたい気がして、今回の旅行で行く予定のひとつ「ウルジミョノク(乙支麺屋)」へ。着いた時間は21時ちょっと過ぎ。もう閉まってた・・・。食うことはあきらめて、もう少しぶらぶらして宿へ戻った。そしてさっさと寝た(22時過ぎ)。

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