2.ソンジホとは何だったのか

2008/03/27(木)

4時半、目が覚めた。腹減ったなぁ。顔を洗って、外に出ようとすると・・・雨だった。小降りではあるが、傘なしではちょっと・・・という感じ。5時過ぎ、宿を出る。コンビニでもないかなぁとうろつくも、なし。しばらく歩くと、「ソクチョ観光市場」というところがあった。食堂を期待したが、ほかの店も含めてまだほとんど営業しておらず、仕方なく宿へ引き返した。で、ちょっとウトウトと・・・

そろそろ7時。明るくなって、街も、先ほどよりは起き始めた感じがするのだが、食堂は営業していない。雨はほぼ上がっている。ヨインスクコルモクのあのクルマはまだそのままだ。と、一軒のパン屋が開いていたので、アンパンを3個買って宿へ戻った。うち2個を、きのうの残りのお茶とともに食った。うまかった。

きょうの予定、ソクチョ火葬場とソクチョ医療院、ソンジホ、コジン、インジェ派出所。スムーズに行けば(最速パターンだと)、きょう中にソウルへ戻れる。が、ソンジホのスケート場所探しで時間を食うと予想、せいぜいインジェまで行って、インジェで宿泊だろうと思った。

8時過ぎ、宿をチェックアウトして、ヨインスクコルモクを覗くと・・・やった、クルマがないわ。で、撮影。



タクシーを拾って、ソクチョ火葬場へ。10分ほどで着いて、運転手さんに「写真を数枚撮るだけだから、ちょっと待っててください」言うと、二言三言何か言って、そのときは迷惑そうだったのだが、撮影を終えて戻り(1分もかかってない)、こちらが日本人で撮影地探しをしていると知ると、「次はどこ?ソクチョ医療院ね、了解。それからはどこ行くの?バスターミナル?」と、どこへでも行きまっせぇって感じに変わってたw



ソクチョ医療院に着いたのは8:40。ぐるりと一周してみた。そして中へ。いくつか病室を覗いてみたが、その病室までは確定できなかったが、外壁(レンガの色)と窓枠の形、ベッドの配置などから、パイランの病室場面はこのソクチョ医療院だなと確信した。複数の病人がいるため、さすがに病室内部の撮影はできなかった。やって関係者に見られようもんなら、お縄頂戴になっていたかもしれないし。9時過ぎ、ソクチョ医療院を出た。




国道に出て、1番か1-1番バスを待つ。やって来たバスに乗って20分ほどでオホリ停留所へ着いた(1,770ウォン、10時)。ここは11月に来たところだ。チュクワン派出所や歯ブラシのシュポの最寄停留所でもある。洗濯!コルモクへ出てみた。うん、変わってないな。すぐ近くにチュクワン事務所があるので、トイレを借りついでにコソン(高城)のパンフレットもいくつかもらってきた。

近くのシュポでペットのお茶を買って、さぁソンジホ(松池湖)だ。書き忘れたが、ソクチョ医療院からここへ来るとき、特にバスに乗っていたときにはひどく雨が降っていた(いまはほとんど降ってない)。その影響で、当たり前だが道路はしっかり濡れていた。だから、クルマが走るときに出るハネはすさまじい。もうブワッと、しぶきというか。何が言いたいのか。そのハネがひどくて道路を歩けないのだ。ここからソンジホ方向には歩道が無い。歩行者用ではなかろうが、路側帯のような部分はあるが、そこを歩いていくしかない。そしたらもうモロに・・・

広い国道だから、普段でも飛ばすのが思いっきり飛ばしている(クルマ)。だからハネもハンパではない。ソンジホはすぐそこなのに・・・どうしたものか・・・つぎのバス停はかなり先にあるらしいし・・・と時間だけがむなしく過ぎていく。タクシーを待つのだが、これがなかなか走ってこないんだな。街中と違うから流しなんてほぼない(らしい)。が、しばら~くして一台のタクシーが走ってきた。客が乗ってるみたいだが手を振ってみたら止まってくれた。やった!

客じゃなかったのか、メーターは1,800ウォンから始まってる。ソンジホへと言うと、すぐそこじゃんと言ってる(みたい)。ぐるーっと回らなきゃいけないぜ?みたいな身振り。ケンチャナ。いやぁよかった。ちなみに、やはりバス停はずっとなかった。この部分、高速道路みたいな立派な道路で、信号もずーっとない。で、ほぼ端まで行って、ぐるーっとUターンする感じで戻って、止めてくれたところは「ソンジホ渡り鳥観望タワー」(タクシー代:4,600ウォン)。ここ、ソンジホの自然などが展示されている施設で有料(1,000ウォン)。とにかく高いところから一望したかったので入場してみた(11時過ぎ)。



眺望はよく、双眼鏡も用意されていたので、じっくりと端から端まで見てみた。一部、隠れて見えない部分もあるのだが、カンジェとギョンスがスケート(ふざけ)をしたらしい場所が見当たらない。だいたい、背景にあった建物が見当たらない。電柱や反射板なども。ここは違うわ・・・。ベンチに腰掛けて、朝買ったアンパンの残りの一個を食ってから、下へ降りて、ひとりで受付をしていたお姉さんに、「ソンジホらしいのですが・・・」とパイランの例のカットを見せると、「ファジンポ、カットゥンデ・・・」だと。やっぱり・・・


よし!見切りをつけて国道に出る。タクシーは来ないからなぁ、と思いながら道路に目をやると、バスの停留所の看板が。「ソンジホ公園」・・・やった、こっちには停留所があるじゃん!ほどなくするとバスが来た。オホリまでとりあえず戻って(1,000ウォン)、反対車線へ渡り、コジンへ向かう。

コジン(巨津)での目的地は、サムホ(三湖)モーテルの地下にあるサムホ団欒酒店。パイランがギョンスに連れて来られる店(のシーンで使われたところ)だ。ここへは、去年の11月に来ている。来て、外観だけをカメラに収めた。今回は、その団欒酒店に突入しようかと来たわけだが・・・



最寄のコジン郵便局停留所には12:20に着いた。ちょっと歩くとサムホモーテルだ。外からの入口もあるこの赤い看板の店がそうか?いまは三井roomとある。ルームサロンか。中へ入って、フロントで聞いてみる。「ここの地下にサムホ団欒酒店があるそうですが・・・」「いまはもうないよ」とのことだった。


この店もやっていないような・・・。このモーテル自体も、外観とは裏腹に、中はかなりくたびれていた。


昼にするか。この店で昼食を取ることに。この店も、11月に来たときに利用したところ。ピビンパプを注文(5,000ウォン)。まずまずの味。さっさと食って・・・


当初は、ここで折り返してインジェ、ソウル・・・の予定だったが、ソンジホでしてヤられたため、オプション設定ではあったが、その先のファジンポホへと進むことにした。バスに乗って、テジン高等学校前停留所へ向かう。

着いたのは13:30(1,060ウォン)。ファジンポホ(花津浦湖)、昨年3月、11月と来て、今回で3度目。さぁ、ここにスケートしたところがあるのか?まずはファジンポ海洋博物館(画像)へ。ここも、最上階から眺めたいがためにカネ(5,000ウォン!)を払って入場。上がって行ってみるが、最上階からの眺めはイマイチで、双眼鏡もないためよくわからない。だいたい、ファジンポホ自体が、ソンジホと違ってデカい!湖の形からも、ここからすべてを見ることは不可能だった。



あきらめて下へ降り、博物館入口にあった案内所で、お姉さんに尋ねることにした。私を見て、もう回ってきたの!?みたいなことを言う。で、パイランのカットを見せて「ファジンポホらしいのですが・・・」と言うと、お姉さんそれを見て「あぁ、これはあそこね。クルマで?」「いえ、歩いてきました」「歩いて!?ん~・・・ここをま~すぐ行くとあそこに橋が見えるでしょ?あそこを・・・」・・・あの橋まで行けばわかりそうだな。よし!

画像はファジンポホのほぼ全景(借り物)。右端にちょっとだけ見える水色が海で、そして砂浜。その砂浜の向こう側(手前側でなく)の端の湖に近いところに、上の海洋博物館がある。でその「橋」とは、画像中央のちょっと右にある白いもの(湖に浮かぶ感じの)。



黙々と歩いてやっとその橋まで来た。はるか遠くに、スケートシーンの背景にあった建物らしきが見える。おぉ、ここっぽくない?ここからさらにズンズン行くようなこと言ってたなぁ。真っ直ぐなのか左へ(画像では右へ)折れて行くのか、それだけでもよく聞いときゃよかったな。橋を渡ってすぐのところに、「ファジンポ歴史安保展示館」というところがある。元はイ・スンマン初代大統領の別荘だったらしい。ここ、丘というか小さな山に沿ってあるので、やはり高いところから望むために、2,000ウォンの入場料を払って登って行った。が肝心な方向が見えなかった。

下りて、チケット売り場のアジュマに聞いてみるが、よくわからないようだった。さぁどうしようか。左の方はかなり距離がありそうだなぁ。まっすぐは坂道だが、距離はさほどでもなさそうだ。まっすぐ行って、違ってたら引き返すことにした。

ひと山越えて進んでみると、どんどん湖から遠ざかって行くようだったので、橋まで引き返し、左の(右の)道路を進む。うへ~、湖に沿って長~く続く道だ。仕方ない、とにかく黙々と歩くことにする、ただ黙々と・・・

しばら~く行くと、右へ折れる道があった(画像左)。湖を横切るような道だ。クルマは進入禁止、みたいな標識というか看板がある。アスファルトの道路ではない。広い歩道のような感じ。ちょっとその右へ折れる道を進んでみるが、小高い山へ入って(登って)行くような道のようなので、引き返して元の道路へ戻り、再び歩き出した。

しばら~く行くと、まっすぐは国道7号線へ、左へ折れるとコジン港へ○キロ(一桁だった)の看板が。国道はともかく、コジンが近く!?この道、違うんかなぁ・・・立ち止まる・・・確かにファジンポから遠ざかってる気もするなぁ、と戻ることにした。

先ほどの、湖を横切る道に来た。ここしかないか、とこちらへ進むことにした。お、前からウォーキング中らしきアジュマ二人がやってくる。尋ねてみるが、ふたりともイマイチわからない模様(聞き方がマズかったかも)。とにかく行ってみます、と言って進んだ。山へ上がって行くかに見えた道は、そう見えただけであって、実は湖水沿いを行く道だった。未舗装のところがあったりするこの道、これで違ってたらどなんしよ・・・

・・・でも、右手に見える湖水と景色はいい味出してきてる。それらしい感じだ。ただ道だけがイマイチ雰囲気がないのだが・・・ま、とにかく前へ前へ・・・

と、ゆるい坂を上りきって見えた景色に、一瞬緊張して、そしてほおが緩んだ。ここじゃん、カンジェとギョンスがバスを降りる道は。ついに見つけたぜぇ・・・じゃあ右手は・・・あのかなたに見える休憩所が、ふたりがスケートしてるバックに映ってた建物だな・・・ということはここがスケートの場所か・・・??じゃあソンジホは何だったん??・・・





かの国のアバウトさはわかっていたのだが、ここまでとは。どのサイト(現地)や本を見ても「スケートの撮影地はソンジホ」だった。KBS(韓国放送公社)のテレビ番組でも「ソンジホ」とナレーションが入っていた(テロップも)。いまその番組を見返してみたが、映っている景色はモロここ(ファジンポ)だ。KBSったら日本のNHKやぞ・・・

余談だが、パイランDVDの特典ディスクのなかにあるメイキングビデオ、ファジンポ海水浴場で撮影してるのに、テロップではソンジホ海水浴場になっている。あれ、ばつ丸さんが先に行ってくれてなかったら(ファジンポへ)、私はたぶん、DVDを信じてソンジホのほうへ行っていたであろう。そらさぁ、メイドインコリアだからって敬遠されても仕方ないよ・・・

とにかく、パサモの連中は、ここを知らないから教えてやらないと。氷が張ってるときに行くといいかも、と。しかしよく歩いたなぁ。やがて16時だから2時間以上歩いてたか。見つかったからよかったものの、見つかってなかったらドッと疲れが出ただろうなぁ。

その道をちょっと進むとすぐ国道7号線だった。しかもすぐのところにバス停まである。ここからバスに乗り戻り(1,370ウォン)、カンソン(杆城)市外バスターミナルへは16時半前に着いた。



次はインジェへ行くのだが、バスが17:40発とのこと、まだ1時間以上ある。とりあえずチケットを買って(6,000ウォン)、近くの食堂でメシ食って(ピビンパプ5,000ウォン)、予備のアンパン買って・・・

インジェで一泊かぁ・・・。インジェへは1時間20分かかるらしい。定時に出ると19時に着く計算。インジェから東ソウルへの最終バスが19:35。約30分しかない。このインジェには、カンジェ(とギョンス)がパイラン死亡に関しての届け出をする派出所シーンの、その内部が撮影された派出所があるらしい(外観はチュクワン派出所←11月に行った)。でその派出所探しをするのだが、検索してみると、インジェ郡には5軒(だったか)の派出所があり、そのうちの1軒がこのインジェバスターミナルの近くにあるので、通り道ついでに寄ることにした。

まぁどうでもいい撮影地ではある。インジェターミナル近くにある派出所がそうであると確定しているわけでもない。そんな、どうでもよくて不確定なところに手こずって、一泊するのも何だかなぁと思い始めた。きょうソウルへ戻れれば、あすは朝からソレポグで撮影地探しができるのになぁと。一方で、もしその派出所が撮影された派出所だと後でわかったら、悔いが残るだろうなぁとも・・・

出発時間が近付くと、バスがやって来た。おぉクムガン高速のバスだ。いつものあの熱い走りで頼むぜ!・・・がこの運転手、おとなしい、ジェントルな運転をする方だった(涙)。インジェへの早い到着を期待したのだが、予定より5分ほど早かっただけの情けない運転だった。それでもクムガン高速の運転手か!(無茶言うオレ

バスの中で、どうせ降りるんだから、時間まで探してみようと決めていた。だから、降りたら速攻でタクシー乗り場へ行き、乗り込んで、運転手にその派出所の所在地を印刷した紙を見せた。すると、「あそこの建物の向こうにあるわ」・・・シッシッ!て感じで降りろ、と。

おぉそうですかそうですか、あんがと。ターミナルから歩いて5分ほどでそこに着いた。インジェ警察署サンドン派出所、が正式名称。中にはおまわりさんが5人いた。入ってみるとあの雰囲気はある。そのうちのひとりにパイランのカット写真を見せて、「ここで撮影されたらしいのですが」と言うと、それを持って行ってほかの4人に聞いている。するとひとりが「そうだ。むかしはこうだった」ようなことを答えてくれた。ここも内部が変わったようできれいだった。

「写真撮ってもいいですか?」、ちょっと考えて「いいよ」と。部屋全体も撮ろうと(おまわりさんも入ってしまう)カメラを向けると、「オレたちはダメだ!」と。「どこから来たんだ?」「日本から来ました」、きれいな婦警さんは「コーヒー飲む?」と聞いてくれる。時間に余裕があればありがたくいただくところだったんだが・・・礼を言って派出所を後にした。



いやぁツイてたなぁ。派出所も確認できたし、東ソウル行きのバスにも乗れるし。19:35にインジェを出て、東ソウルターミナルには22:20に着いた。しかし、夜のこういうバスは景色が見えないからつまらないねぇ。ちょっと苦痛の3時間弱だった。

東ソウルターミナル最寄のカンビョン駅から、地下鉄に乗って乙支路3街駅へ。コンビニで今回初めてのコークライト250(600ウォン)を買って一気飲み。っくぅーっ最高!さて、きょうの宿だ。きょう帰って来れるかわからなかったので、予約は入れていない。が、以前泊まったことのあるBIZ近くの旅館「귀빈장」なら空いてるだろうと行ってみた。1泊3万ウォンで即決。23時、もうそのまま、寝た。

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