「きょう日本に帰ります。私、いろいろな店でテジクッパ食ってきましたが、ここが一番うまかったです。プサンに来たらまた来ますので」「あぁ、必ず来てくださいよ」・・・店を出た。
ソミョンへ出て、ロッテデパート向かいの停留所から201番バスに乗り(8:40)、金海空港へは9:05に着いた。名古屋行きKE753は12:40発なので、まだ3時間以上ある。この金海空港、インチョン空港はむろん、金浦空港よりもずっと小さく、どこか以前の名古屋空港のようで、親しみがわく空港だ。
特にすることもないので、搭乗手続きをして中へ入ることにした。インチョンと同様、大韓航空にはno baggage専用カウンターがあり、預ける荷物のない人はスイスイでチェックインができた。
中にはロッテ免税店が入っていた。ここの化粧品売り場にパサモメンバーの友達がいるとのことだったので、その売り場に行ってみたのだが、あいにくその人は休日だった。美人との前評判だったのだが、ん〜残念。
釜山銀行提供だったか、無料のインターネットPCが6台ぐらいあったので、日本を離れてから4、5日分をゆっくり巡回した。パサモメンバーからメールも来ていたので返事をしたり。この返信というか、文を作る(書く)のに結構時間がかかったりする。おかげでいい時間つぶしになったw
搭乗時間になり、飛行機に乗り込む。このとき、いいアイデアだなと思ったのは、座席番号でふたつ(飛行機前方・後方)のグループに分けて並んで、後方グループから先に機内へ入れていったことだ。これなら、前方でもたもたした(詰まった)とき、後方の客がさらに遅れるということがなくなると思われた。初めて見るやり方だった。
機内食は当然、帰国便でも食べない。もう『正論』も読んでしまっていたので、予備に持って来ていた本を取り出した。浅田次郎の短編集『鉄道員(ぽっぽや)』、そう、パイランの原作である「ラブ・レター」も収録されている本(文庫)だ。
で、ラブ・レターから読み出した。実は初めてなのだ、このラブ・レターを読むのは。ちょっとドキドキだ。映画パイランとは違うところが多いと聞いていたが・・・
泣けた。目じりからでなく目頭から、小鼻ををかすめてつーっと、涙がこぼれてしまった。実は、パイランを見て落涙することはなかった。いまにもあふれ出そうだったが。さすがパイランの原作、一本取られた・・・
ラブ・レターにヤられて、それから先を読み進む気にもなれず、ぼうっとしていたら中部国際空港に着いてしまった(14時)。一番で入国審査、税関を済ませ、空港から自宅へと向かう電車に乗り込んだ。
本を取り出し、気を取り直して読み進むことにした。次は「鉄道員」だ。文字通り鉄道員の役で、高倉健が主演で映画が作られたことは知っていたが、その内容はまったく知らない。読み始めて・・・
おっ、おぉぅ、うぅぅぅ・・・思わず声が出てしまった。いま思い出すと笑ってしまうのだが、’瞬間’よりも長い、ほんの短い時間なのだが、声を出して、泣いてしまった。なんて泣かせる話なんだ。おいぃぃ勘弁してくれよぉ浅田次郎ぉ・・・涙はもちろん、鼻水も垂れてしまって、いやぁこんな用途にポケットティッシュ使うとは思わんかったわぁ。周りに人がいなかったからよかったものの・・・いや、聞かれてたかもしれんな、おいらの声。恥ずかしい・・・
プサンはもちろん、帰国後も充実した旅行になったのだったw(15:05帰宅)
|